2020年4月6日月曜日

店主大橋の古着と人生 vol.5











こんばんは。DioramaClothingStore大橋です。







久しぶりのコラムです。


実は少し前にバイイングダイアリーの事を書こうと取り掛かっていたのですが


何を書いたかも見ず、たった今消去し、また書き始めています。


今日はおふざけなしで真面目な話。ゴールは見えていないけれど書きます。










寝ても覚めてもコロナウイルスの毎日。不安だし、疲れたし、うんざりしている頃だと思います。


まさか誰もこんな事態になるなんて思ってもいなかった。もちろん僕もその一人。


目に見えないウイルスが社会を破壊し、国を破壊し、世界が混乱する。


映画のような本当の話。こんなことが自分が生きている間に起きるなんて誰も思いませんでした。








平成元年生まれの僕は小学校の時、学校の課題だったのか何か忘れてしまったけれど


今は亡き爺ちゃんに戦争の話を聞いたことがあります。


お爺ちゃん子だった僕は爺ちゃんが "訓練で銃を持ったけれど、戦場に行って撃ってはいない"(確かこんな内容)


というのを聞き、幼いながらに安心したことを覚えている。


その頃僕はきっとゲームボーイもしくはゲームボーイカラー(知っている人いるよね?笑
)に夢中になっていて


戦争というものがすごく大昔の事に感じた。









僕がその話を聞いてから20年くらい。


日本の最後の戦争が終わってから75年。


この100年も満たない間にテクノロジーは光の速さで発展し、


いよいよ僕は "昔は携帯で動画なんて観れなかった" とか


"ゲームボーイはモノクロだった" と過去を振り返る年齢に差し掛かっていた。









だからこそ信じられないんだと思います。


あれから20年でこんなにも文明は進化したのに。


戦争は大昔の話ではなかったのに。


例えば、飛行機に命を預け遠く離れたアメリカに行くのって本当は怖いはず。


たまに不安になったりするけれど、寝て起きたらアメリカに着いている。それもたった十何時間で。


鉄の塊が何百人を乗せて約1万キロ空を飛ぶ。


死を覚悟するような事なはずなのに、僕らは安心して飛行機に乗れる。


そんな凄いことができるようになった人間でさえ、


目に見えないウイルスには打ち勝てない。


本当かよ!と思ってしまう。でもこれも本当の話。








テレビもネットもコロナの情報で溢れかえる。


どれが嘘でどれが本当かくらいはわかるけど、花火大会のフィナーレのように情報が乱発する毎日にため息が出てしまう。


政治の批判も挙足取りも、それにちなんだジョークも僕はどうでもいい。


それでも情報は知りたいから調べ、不安に駆られる。


大人ぶった文章を書いているけれど、僕は騒がないだけで結果そこで騒いでいる人と何も変わらない。



というのが "今" の僕の気持ちです。


一週間前はこんなことは考えていなかった。


何も考えていなかった訳ではないけれど、実感が湧いているようで湧いていなかった。















"懺悔のマスク"










今思えば無神経に過ごしていた僕たち、布マスクを作り始めました。


今更です。本当に今更。


始めたきっかけは一つ、不安に駆られたから。


僕らは全員大須に住んでいて、古着屋の規模に甘え、手に入らない事を言い訳に


つい最近までマスクをつけておりませんでした。


でもマスクは売っていない。だから作り始めました。


※実際は布マスクはネットで買える状態でした。今も買えます。





せっかく作るならみんなの分も作ろう。


と思い量産を始め、インスタグラムにアップしたところ


本当に沢山の人に "素晴らしい" と褒められ、激励されました。


勿論それは行動に対しての事なのですが、


僕らはマスクをしていなかった人達なのです。


"マスクをしている人が正義で、していない人が悪だ" なんて思いません。


でも、していなかった僕たちが急に正義のヒーローみたいになるのも違うんです。


このマスクは僕達の償い。懺悔のマスクです。


なので手で作り、配ります。







インスタグラムにも書きましたが、今は接客業の方に無料でお配りしています。


作るのに思ったより手間とお金がかかってしまい、できれば投げ銭をして下さいと言っております。


お金をもらって懺悔とは何事!と揚げ足を取らないで下さい。


利益なんてどう考えても出ません。


でも本当に沢山の人がサポートしてくれて、既に60個程作ることができました。


ありがとうございます。


なので、必要な方はPanorama Storeに取りにきて下さい。


もう一度書きますが、布マスクはネットで買えます。







スタッフ全員マスクをして営業しております。


でも、家にいる事をお勧めしております。


電車で30分くらいで行けるお店でわざわざ通販する人なんていないのもわかっています。


でも、通販を推奨しております。


"営業自粛" が最善策なのは百も承知。


できるのか、できないのか、先の見えないこの状況で毎日考えています。


まだ明確な事は言えないけれど、近日中に店舗の営業を一時止めてみようと思っています。






他県に比べて緊張感が薄いと言われている名古屋。


緊張感が薄かった僕に言える事なんて何もないから、これからの行動で示します。




懺悔マスクの話はこれでおしまい。


















"ローカルビジネスをローカルで守って下さい"


ここからはお願いです。


このご時世、ほぼ全部と言ってもいい程のローカルビジネスが経済的に大きな打撃を受けています。


勿論僕もその中の一人です。


飲食店をやっている友達、バンドマンの友達、クラブ関係、DJの友達、新品の洋服屋の友達。


俺はへっちゃらだぜ!なんて人は一人もいません。


できるだけいろんな所に出向きお金を使いたいけれど、


僕も打撃を受けている人間の一人だし、従業員を守らなければいけないから限界があります。




それでも少しならできることがあります。


これから飲食店はデリバリーやお弁当に形態を変えていき、


洋服屋は更にオンラインを推奨していきます。


自分の好きなお店が無くなってしまわないように、そこでお金を使ってあげて下さい。


僕のお店で買って下さいとい話ではなく、あなたの好きなお店でです。




経済的な打撃は事業者だけでなく一般家庭にも影響している事もわかっています。


外食は生活の中での贅沢だし、洋服や音楽は無くても生きていける。


今一番守るべきものは健康とお金。


誰もが混乱し、先が見えない今、娯楽にお金を使う必要なんて全くないのも承知です。




でも忘れないでいて欲しいです。


お酒を飲んで騒いだ時間が幸せだった事を。


ここの飯屋うまいよ!と友達に教えていたあのお店を。


見たかったアーティストのライブが始まった瞬間の景色を。


記憶が飛ぶまで酒を飲み踊ったダンスフロアを。


買ったばかりの服を着て外に出る瞬間の喜びを。




コロナウイルスが終息した時、好きだったお店が無くなっているかもしれません。


思い出が詰まった場所も無くなっているかもしれません。


これも大げさな表現なんかじゃなく、本当の話です。











僕は19歳から大須という大きいのか小さいのかわからない街で


10年以上洋服を売り続けてきました。


東京や大阪が羨ましく思ったり、名古屋が嫌になったりした時もありました。


でも僕は何でかずっと名古屋に残り、


地方叩き上げだ!と心に決め今までやってきました。


そして今、名古屋でお店をやっていることが本当に楽しくて、


名古屋も悪くねえぜ!と思えるようになってきました。


だからこそ、助け合いたいんです。


助けて欲しいし、助けてあげたいんです。


今までの場所で今までのような生活に戻れるように。









僕は社会派の人間ではないので政治の事には触れません。


その代わり、ローカル至上主義です。


全国に知り合いがいるのでどう表現すればいいかわかりませんが、


あまりに遠くにいる人を簡単には救えないのは事実だと思います。


でもその土地にはその土地のローカルがあり、コミュニティがある。


なので、ローカルビジネスをローカルで守って欲しいのです。


自分の街のために自分ができる事。


夢物語な事を言っているように聞こえるかもしれませんが、


その気持ちを持っている人がどれだけいるかで未来は変わると思っています。






これから僕は少しづつ知り合いのお店で可能な限り買い物(通販)し、


友達のやっているレストランのテイクアウト弁当を食べまくろうと思っています。


音楽関係は方法がわかりません。。でも何かできることがあれば教えて欲しいです。











僕のキャラクターが崩壊した大真面目コラムになりました。


もうどう思われたって構わないわ〜!という気持ちで書き上げたので全て本音です。


そんな本日、4月6日はPanorama Storeをオープンして1周年の日。


来年の今日は何をしているだろう。


ぶっ倒れるまで酒を飲んでいて欲しい。


-完-














『店主大橋の古着と人生 vol.4』






Diorama Clothing Store

名古屋市中区大須3−15−19 第一竹新ビル1F

Tel : 052-269-1116

Mail : dioramaclothingstore@gmail.com